アニェス・ベラドンヌ劇中で新聞記者【フィリップ・マンソニエ】を演じる坂本岳大が
共演者を取材する特別対談企画!








坂本 まず、この作品と役の印象からお聞かせ頂けますか?
長田 印象は…難しい…でしたね。
坂本 どんなところが?
長田 6人の関係図っていうか…
坂本 人物関係ですか?
長田 そうです。それが難しいなと。
坂本 アンヌという役の印象はどうでしたか?
長田 色にたとえると、一つの色ではないし…たとえるなら、芋虫がサナギになり、蝶に変身していくといったような感じを受けました。
坂本 なるほど。本番も近づいてきましたが、稽古をやっていてどうですか?
長田 毎日色々な事が起こるので楽しいですよ。
坂本 どんな事?
長田 たとえば安原さんなら、毎日違った芝居のアプローチがあったりして、それを間近で見られるのは楽しいですね。
坂本 長田さんは色々なお仕事をなさって女優デビューしたでしょ。舞台に関しては去年の『行き交い』が初舞台で、今回が2本目じゃないですか。今回アニェス・ベラドンヌに参加してみてどうですか?
長田 『行き交い』は、あれもアレーグル氏の作品ですけど、アニェス・ベラドンヌと違い、もっと抽象的で役者同士の台詞の掛け合いっていうものが無いお芝居でした。それはそれで難しいお芝居でしたけど、今回こうやって掛け合いのあるお芝居をやってみて、また違った難しさを感じています。
坂本 そうですよね、ダイアローグのお芝居は初めてですもんね。 やっぱり、舞台で会話するのは難しいですか?
長田 はい、とても難しいですね。

坂本 お芝居の中に段取りも多いし、台詞も多いですよね?稽古に臨むにあたり、気を付けている事ってありますか?
長田 色々細かいことを考えて、悩みすぎて身体が思うように動かなくなってんしまった時期があったんです。なので今はとにかく『全力を出し切る』という事に気を付けて稽古しています。
坂本 何に一番悩んだの?
長田 役になりきれてないな、と自分で感じてしまったことかな。 アンヌ・ローレルっていう役になりきろうとしているんだけど、長田万里という人間が背後から後ろ髪を引いているみたいな。
坂本 役に入っていくための、長田さんのやり方みたいのはあるんですか?
長田 末次さんにお話しを伺ったときに、「役の家族構成、学校はどんな学校いっていたのかとか、そういうことを意識すると、役に近づけるかもよ」と、アドバイスをいただいたので、それからはそういう部分を意識するようにはなりました。
坂本 役のバックグラウンドってやつですよね。
ご自身と、アンヌの相違点で感じている事ってありますか?
長田 性格のある部分は似ているところもありますね。でも、自分と似ているところがあるから、すんなり芝居ができるかといったらそうでもなくて、自分自身が出すぎてしまう部分があって、『それが果たしてアンヌ・ローレルになっているのか』という点で少し悩みました。
でも、またある部分ではわたしにまったくない所もあるので、そういうところは難しいかなぁと思っていたら、逆に演じやすかったりしましたね。
坂本 なるほど。役者ってわりと自分に近いほうがやりにくかったりしますもんね。 安原さんもインタビューの時仰ってました。
ところで、長田さんはベラ・レーヌ・システムを勉強なさっていて、初級クラスの方の指導は岡田先生から許されてるんですよね?
長田 はい。
坂本 ベラ・レーヌ・システムをご存知ないお客様も多いと思うので、簡単に説明していただけますか?
長田 これは岡田先生の本にも書かれていることですが、台詞だけに頼らずに、『シチュエーション』が演じられるようになる。そういった演技技法のひとつです。
坂本 レッスンと、作品づくりはやっぱり違います?
長田 全然違います。
坂本 どんな所が?
長田 これも先生のおっしゃる事ですが、ベラ・レーヌ・システムを完璧に習得したからといって、舞台に立った時に全てがうまく行くっていう訳ではないんです。
スパイスみたいなものが、ベラのシステムであって、その他の基本技術も身につけた上で活かされるものなんですよ。
坂本 そのスパイスの部分を演出してくるのが岡田先生というわけですね。
長田 はい。
坂本 さて、今回楽屋が舞台のお芝居ですが、長田さんにとっての楽屋っていうのはどのようなところですか?
長田 変身する場所かなぁ。
坂本 それは先ほどの話のように、長田万里からアンヌ・ローレルになる場所ってことですね?
長田 ええ。
坂本 しっかり変身した姿を楽しみにしてます(笑)
長田 (笑)
坂本 では最後に、お客様にメッセージをお願いいたします。
長田 人間の欲って、色々あると思うのですが、登場人物6人のそれぞれの欲の中に、色々な面が浮き立ってくるようなお芝居だと思っているんで、とても楽しんでいただけるのではないかと思っています。
坂本 なるほど。ありがとうございました。

一筆御礼

いつでも、きちっとした方です。
稽古に入ったばかりの頃は、緊張の硬さも手伝って「きちっと」より「ギチっと」と、
擬音が聞こえてきそうな感じの長田さんでしたが、ご本人がおっしゃるとおり、
稽古場に慣れるごとに被っていた猫の下が見え隠れする瞬間、
周りの我々は、あなたの底知れぬ恐ろしさを感じたものです。
「可能性」なんて私が言うのも生意気ですが、
日に日に見せる「色んな顔」には、やはりそういった「頼もしさ」を感じます。
アンヌが持っている「色んな顔」を探し続けている長田さん。
初日には、どんな「顔」を見せてくれるのでしょうか?
皆さん、「初日」はもうすぐです!!

坂本岳大

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